視力を失っても名作映画が見えるシネマデイジー

私は学生時代から映画鑑賞が趣味で、情報誌を片手に映画館に通っていました。

4年前に視力を失ったときに、病院のベッドの上で真っ先に思ったことは、大好きな映画がもう観られなくなることでした。

視覚を失っても、原作となった小説や脚本をノベライズした本を朗読してもらったり、ラジオ劇のように声で演じてもらったりすることで、映画の世界を楽しむことはできます。

しかし、それらはあくまで映画の代用品で、監督の演出意図や俳優の細かい所作までは伝わりません。

そんな代用品に少々不満を感じていた頃、シネマデイジーという新技術の登場で、希望の光が差してきました。

この技術は、デジタル記号を記憶媒体に残す際に、記憶媒体を4つの階層に振り分けて情報量を飛躍的に増やす技術です。

この技術により、劇中の台詞回しの邪魔をすることなく、情景描写や映像上の出来事の解説を加えることができるようになりました。

シネマデイジーは、プレスクトークという特別な装置で読み上げます。

デイジー化作業は、視覚障害者を支援する団体がボランティアで行っていたのですが、最近では製作の段階からデイジー化された映画も出てきました。

デイジー化することで、過去の名作映画も視覚障害者の前に蘇るのです。

シネマデイジーを映画館で上映する際は、視覚障害者に必要な解説の階層をFM電波で飛ばしているので、晴眼者の視聴の妨げにはならないように工夫されています。

障害者と健常者の垣根を取り払ったバリアフリーの映画がより広く普及することを望みます。

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